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2010センター現代文・評論解説講義(3) [学問]

今日もセンター現代文の解説講義をお届けするよ。

評論編第3回目の今回は、問3の変形型内容説明問題を攻略するぞ。

問3 傍線部B「技術、通信、文化、教育、娯楽といったいわば情報そのものを商品化する新たな資本主義の形態」とあるが、この場合、「情報そのもの」が「商品化」されるとはどういうことか。その具体的な説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 多くの労力を必要とする工業生産物よりも、開発に多くの労力を前提としない特許や発明といった技術の方が、商品としての価値をもつようになること。
② 刻一刻と変動する株価などの情報を、誰もが同時に入手できるようになったことで、通信技術や通信機器が商品としての価値をもつようになること。
③ 広告媒体の多様化によって、工業生産物それ自体の創造性や卓越性を広告が正確にうつし出せるようになり、商品としての価値をもつようになること。
④ 個人向けに開発された教材や教育プログラムが、情報通信網の発達により一般向けとして広く普及したために、商品としての価値をもつようになること。
⑤ 多チャンネル化した有料テレビ放送が提供する多種多様な娯楽のように、各人の好みに応じて視聴される番組が、商品としての価値をもつようになること。

【問題ジャンル】 変形型内容説明問題

【解説】
内容説明問題かと思いきや、実は単純な内容説明問題ではなく具体例を選ばせるという最近になって出題されるようになってきた新傾向の問題。
といっても、傍線部の内容を理解しないと解けないという点においては内容説明問題と同じだ。

では、攻略を始めよう。

まず、設問文からポイントを拾い出すと、「情報そのもの」と「商品化」の2つがあるよね。
このうち「情報そのもの」とは、傍線部Bの前半部分にある「技術、通信、広告、教育、娯楽」のことであるとわかる。
さらに、「商品化」については、選択肢の最後がどれも「商品として価値をもつようになること」で終わっているから、これがまさにその内容だよね。
でも、当然のことながらこれだけでは問題は解けない。
「技術、通信、広告、教育、娯楽」が「商品として価値をもつようになること」の理由を間に入れてやらないといけない。

では、本文を読んでその理由を探してやろう。
傍線部Bを含む段落の次の「なぜなら」で始まる段落に注目しよう。
「なぜなら」は、この後に理由が書かれていることを示す接続語だ。

問題を解くための決め手となる記述を抜き出してやると

・「商品としての情報の価値とは、まさに差異そのものが生み出す価値」

とあり、その「差異」とは何なのかといえば

・「利用するひとが他のひととは異なったことが出来る」

と説明されている。
つまり、このことをふまえた具体例を探せばいいということだね。

では、選択肢の検討に入ろう。

①は、工業生産物=多くの労力がかかる、技術=多くの労力を前提としないとしている点がダメ。商品としての価値を決めるのは、労力がかかるかどうかという点ではなかったよね。本文に「どれだけ労力がかかったとしても、商品としては無価値である」なんて記述があるから、適当に読んで解きにかかるとひっかけられるかもしれないよ。

②は、「誰もが同時に入手できるようになった」がダメ。これだと「差異そのものが生み出す価値」ってことにならないよね。

③は、「情報そのもの」が工業生産物の価値を押し上げるみたいな説明になっていてダメ。本文では工業生産物より情報そのもののほうが価値があるんだという記述だったよね。

④は、「一般向けとして広く普及したために」がダメ。②と同じだよね。

⑤は、「各人の好みに応じて」の部分が、「利用するひとが他のひととは異なったことが出来る」を言い換えてるよね。これが正解だ。

【正解】 ⑤

【問題レベル】 標準

【コメント】
あまり見慣れないパターンの問題でてこずってしまうかも。
内容説明の変形型問題であることに気付けば、それほど難しくはないだろう。
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